入院の日は雪だった。⑨

入院日の朝、いつもと変わらない家の中では子供たちがテレビのリモコンを取り合いけんかをして騒いでいる。私はしばらく家を空けるため、ぎりぎりまで数日分の家族のご飯を作ったり水回りの掃除をしたり、洗濯物をやっつけたりしてバタバタと動いて気を落ち着かせていた。

いよいよ、入院。明後日は手術……。。。

今あるこの胸とバイバイだ。。。そっと胸に手を当てる。

よくここまで頑張ってくれた!おかげで3人の子供たちにおっぱいを飲ませて育てることができた!「ありがとう。」と。

ーーー「私、本当にガンなのかなぁ……。嘘なんじゃないかなぁ。」ってここにきても未だに現実を受け入れられない自分がいて、気持ちが落ち着かず、ただ涙と深いため息が出る…。涙が止まらない…

「死にたくない。こわいよ。やだよ。」

家族の前では笑っていたのに、笑えないよ…。つらい…。

そんな気持ちがありつつも、もう一人の私がまたささやく、

「大丈夫!!絶対死にはしないよ!」「大丈夫!!私は乗り越えられる!」「大丈夫だ!前向きに生きよう!」と。

そんなことをずっと頭の中で繰り広げながら、車の窓から降り積もるたくさんの雪を眺めていた。

今こうして古い日記を読み返しながら、ブログを書いていると、あの時の光景が鮮明に浮かびます。

車から降りると真っ白な雪がふわふわと空から舞い降りてきた、あの景色が忘れられません。

あの時の私に言ってあげたい。

「大丈夫だよ!13年後もわたし元気に生きているよ!」って。

                          ⑨へつづく

  ロクシタン
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